【映画感想・レビュー】リトルフォレスト(橋本愛主演)
あらすじ
リトルフォレストあらすじ
リトルフォレストは春・夏・秋・冬の4部に分かれています。
今回は夏と秋の感想をお伝えします。
橋本愛演じる『いち子』は東北の小さな村『小森』の一軒家で一人で暮らしています。
いち子は一度、都会に出たけれど、自分の居所を見つけることができず、ここに帰ってきました。
近くにスーパーやコンビニはなく、田んぼと森と山に囲まれた田舎の一軒家で自然の恵みを活かして、食物を育て料理をしています。
四季折々にさまざまな恵みを得る一方で、厳しさも感じる自然。
その中で自分と向き合い、毎日美味しいものを食べ、毎日を生きていくという話。
パン
梅雨の時期がやってきました。
いち子は梅雨のじめじめ解消のために薪ストーブを焚きます。
そのストーブを使って彼女はパンを作るのでした。
彼女の脳裏にはかつて一緒に暮らしていた母の姿が時折浮かびます。
母は幼いいち子を連れてこの田舎にやってきました。
自然と共に二人田舎暮らしをしていましたが、彼女が学生服を着るような年になると、母親はこの田舎から姿を消していきました。
米サワー
いち子は一人で暮らしていましたが、時折友達が遊びにきました。甘酒にドライイーストを混ぜて発酵させて作る「米サワー」を幼馴染でUターン組のゆうたと楽しんでいたりしました。ゆうたと日雇いバイトに行ったイワナの養殖場で食べた「イワナの味噌汁」、畑の野菜と木の実で作ったウスターソースやヌテラ、グミの実をジャムにしたものなど、いち子は田舎での暮らしを友達と共に、食と共に楽しんでいました。
ゆうたもまた都会での暮らしが合わず帰ってきた一人でした。
おにぎり
いち子の一年の暮らしの中で大きな仕事とも言える、「お米作り」は田植えから収穫まで彼女は丁寧に淡々と仕事を行っていました。そしてそのお米を収穫する秋となりました。自分で作ったお米でおにぎりを作るいち子は、おにぎりを食べるたびにかつての都会で同棲していた彼氏を思い出します。
栗の渋皮煮
キャンプ場のしげゆきさんとゆうたが作った栗の渋皮煮は村の人の評判が良く、話題になった。
そのレシピは人気となり、村の人々が次々と作り始めた。
今年のサツマイモはあまり育たなかった。
村のおばさん達が言うに小森の土はサツマイモに合わないらしい。
いち子はサトイモを植えた。
どちらの芋も寒さに弱いので、霜が降りる前に収穫しなければならない。
特にサツマイモは保存するためにすぐに干しイモにしてしまわなければならない。
昔、母親が作った野菜炒めを手抜きだと思っていたいち子は実際に自分でも作ってみるが、食感が全然違ったため、研究を重ね、炒める前に筋を取るという作業がなされているのを知る。
母からの手紙が来る。
ここで終わります。
冬と春に続いていくのでしょう。
作中のセリフ
『言葉はあてにならないけれど私の体が感じたことなら信じられる』
『自分の責任で話せるのは自分で実際に感じたこと、考えたことだけ』
『なにもしたことないのになんでもしってるつもりで話す』
『他人が作ったものを右から左に移してるだけのやつほどいばってる』
『薄っぺらい人間の空っぽな言葉を聞かされるのにうんざりした』
『他人に殺させといて、殺し方に文句を言うような人生を送りたくない』
感じたこと
・自然の恵みと脅威
自然から恵まれることも多いが、もちろん危険に晒されることもある。人間は自然の一部であるということ。
・生活の豆知識
田舎における生活様式は、豆知識の塊である。現代の我々の都会における生活環境は利便性が高過ぎて、原点の生活を忘れてしまっている気がする。
それを悪いこととは思わないが、このありがたみを忘れてしまうことは危険なのかもしれない。
・自分でやってみないと気が済まない
実際に自分で体験することで、様々な感情が動く。その感情を元に話す内容には厚みが増す。
・その場所を離れて初めてその場所の良さを知る。尊敬する。
その場所を離れて、その場所も反対の環境を見ると、どちらの良さも悪さもわかるから、比較対象は必ず自分の目で確かめるべきです。比較対象になり得なくても、なんでも見てみるべきです。
例えば、都市と農村、青空と雲、一部と全部
・中身のある言葉を話せる生き方
中身を充実させるには、自分が体験してみる。これに尽きると思います。あとは研究ができれば尚よし。
つまりは行動を起こすことが大事です。
口だけの人は信用できないのと同じです。
・命をいただいているということ
私達は当たり前のように、豚、牛などの肉や魚の肉を頂いています。
実際に自分で絞めることが一番ありがたみを感じれると思います。
まずは動画などで見るところからです。
私も、まだ魚くらいしかないので体験していきます。
映画作品としての評価
・橋本愛の素朴さと美しさ
とてもコンセプトに合っていて良い。
橋本愛がとても美しい。
・心の声をナレーション
人との言葉の掛け合いは多くないため、ナレーションで感情を表していて、カバーできている。
終わりに
実際に自分で体験することが一番大事だと感じました。
言葉は経験から来るものです。なにも経験してない人の言葉は薄っぺらくて、信用がありません。
また、我々が当たり前だと思っていることも、とても長い過程があって成り立っているということ、そこに従事している人や労働力には感謝をしなければならないでしょう。
ロボットに取り変わったとしてもです。
とても素朴な映画でしたが、こういう映画がいいんです。
余白を上手く残している映画。
人間とはなにか、そもそも論みたいな。
次は、冬・春編を見たいと思います!
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